(メルマガ連載)
チープなデジカメで商品撮影どす


第一回:はじめに

 ネイチャーのカタログは印刷以外は全部社内でやってます。
 それはズバリ「安いし速いから」。チープな機材軍団を酷使して
 商品の撮影からコンピュータでの画像加工、編集までやってます。
 そこで、この連載は「チープな機材でいかに商品撮影するか?」
 というテーマで書いていこうと思います。
 皆様の撮影やパンフレット作りにお役に立てれば幸いです。

 といってもネイチャーもプロじゃないので、素人の方だけ
 お読みくださいませ(弱気)。もし不覚にも読んじゃったプロの方
 はアドバイスください・・・

 この連載は「室内撮影」で「背景が白のシンプルな画像」を
 撮影するためのものです。
 撮影商品は小さめ(約幅30X奥行30X高さ30cm以下)を
 想定してます。
 弊社カタログでも7割以上がこのパターンです。

 次回は「用意するもの」です。お楽しみに!


第二回:機材はチープでOK

 この連載は「チープな機材でいかに商品撮影するか?」というのがテーマ。
 今回は機材についてです。そりゃあデジタル一眼レフをはじめ高級な機材を
 そろえるのが一番ですが、手軽な機材でもそこそこの写真はできちゃいます。

 まずは「デジカメ」。ここ2〜3年に買ったものなら300万画素以上なのでほぼ大丈夫。
 どこのメーカーでもOKだと思います。ちなみにネイチャーはキヤノンPowerShotA80
 (400万画素)を使用してます。名前はイカついですがプラスチッキーな安モンです。 
 2年くらい前に25000円くらいで買いました。

 そして「三脚」。これは絶対に必要です。ヨド○シなどで5000円も出せばそれっぽいものが買えます。
 お金に余裕があるならもっとガッチリしたものを買いましょう。
 そこらへんは店員さんが教えてくれますので。写り込みを考えるとブラックがいいでしょう。

 背景になる「白のケント紙」。この連載は「背景は白」の撮影をするためなので必ず必要です。
 ネイチャーでは四六判(約78X109cm/300円程度)の厚手を使ってます。
 撮影してるとどうしても汚れてしまうので年に2〜3枚買ってます。

 重要なのが「照明器具」。でもネイチャーでは家庭用の蛍光灯の下で撮影してます。
 ただし!!その使い方次第ですごーく写真の出来が変わってきます。それについては次回。

 機材ではありませんが、撮影する時は派手な色の服はペケです。
 ツヤツヤの部分などに写りこんでしまいます。
 そういえばスタジオにいる人たちって黒っぽい服が多いですね、マネしましょう。

 はい、これで機材はほぼ終わりです。

 次回は「ちょいテク照明その1」。ちょっとした手間と工夫の数々です。お楽しみに!


第三回:「ちょいテク照明その1」

 ちょっとしたチラシ作りのために商品を撮影するとき、
 どんなふうに照明しているでしょうか?

 明るい窓辺で撮影したり、電気スタンドをあててみたり、
 ストロボを発光してみたりと、いろいろ工夫されていることと思います。
 でもうまく撮れたり撮れなかったり、色がヘンだったり・・・
 そんな悩みの原因のひとつに「照明」があります。
 ということで今回のテーマは「照明」です。

 この連載は「室内撮影」に限定していますので、
 まずは「室内」に注目してみましょう。普通の部屋には窓があります。
 窓からは太陽光や外の照明が入ってきますので、
 カーテンなどで「完全に」シャットアウトします。
 完全シャットアウトですから、電気を消した時は真っ暗になるはずです。
 面倒かもしれませんが、安定した撮影空間を作るには必須です。
 テレビのスタジオにも窓がないのも同じ理由です。
 カーテンがなければ段ボールなどで遮光すればバッチリです。

 次に室内の照明です。ひとくちに照明と言っても、
 天井に備え付けだったり、ペンダントだったり、スタンドだったりしますが、
 この連載では「天井の蛍光灯」を例に説明していきます。
 添付画像はネイチャーでも使用してる蛍光灯の照明器具(20W X 4本)です。

 

 ココでとても重要なのが「蛍光灯のメーカーと種類を同一に」揃えることです。
 電気屋さんへ行くと主に「白色」や「昼光色」が売ってますので、
 どちらかを選んでください。混ぜてはいけません!!!
 影が変な色になったりします!!!

 まわりくどく説明しましたがキモは
 「真っ暗な部屋で」「一種類の光源を」「真上からだけ当てる」ということです。

 次回は「ちょいテク照明その2」です。
 ちょっとプロっぽくやってみましょう。お楽しみに!


第四回:「ちょいテク照明その2」

 前回は照明器具について書きました。

 おさらいすると・・・
 「真っ暗な部屋で」「一種類の光源を」「真上からだけ当てる」
 この3点がキモ、ということを説明しました。

 それで、ネイチャーで使用しているのが添付の画像のような
 蛍光灯の照明器具(20W X 4本)を例にして説明しました。

 

 光量もそこそこで、幅もあるので重宝してますが
 蛍光灯が4本なので、そのまま撮影した画像をよーく見ると
 影がちょっとおかしく写ってたり、ガラスやテカりのある
 陶器なんかだと、光の写り込みが4本になっちゃったりして
 ちょっと許せない画像になっちまいます。

 そこで登場するのが「トレーシングペーパー」。
 画材屋さんなんかで売っている半透明のうす〜い紙です。
 これを添付の画像のように照明器具にかぶせちゃうと
 アラ不思議! 光が柔らかくなって前出の諸問題も解決!!

 でもわざわざ画材屋に行くのもメンドーです。
 そこで登場するのが「ワックスペーパーの白いの」です。
 お花屋さんだったら花材問屋さんに行けば60cm幅くらいの
 ロールで手頃な価格で売ってます。

 当然、ネイチャーでもワックスペーパーを使ってます。
 ビミョーに柄が入ってますがご愛嬌とゆーことで。

 

 蛍光灯といっても結構発熱しますので
 あまり蛍光灯に近づきすぎないように気をつけましょう。

 次回は「ホワイトバランスを調整しよう」です。
 超超超重要なポイントです!お楽しみに!!


第五回:「ホワイトバランスを調整しよう」

 これまで説明してきたことをふまえて、添付の画像のような
 スタジオ(おっー!ちょっとプロっぽい!)を組んでみましょう。

 

 これまでのポイントをおさらいすると・・・
 ・デジカメはしっかり三脚に固定する。
 ・背景は白ケント紙を。
 ・窓からは太陽などが入ってこないようにする。
  (=照明を消したら真っ暗になるように!)
 ・照明器具にはトレーシングペーパーや
  ワックスペーパーをかぶせる。

 さあこれで撮影準備はオッケー!!

 やっとここで今回のテーマ
 「ホワイトバランス」を説明しましょう。

 ホワイトバランスとは、超ぶっちゃけて言うと
 「デジカメなどで正確な色を出すための機能」です。
 詳しく言うと色温度とか難しい話になっちゃうので割愛。
 知りたい方はgoogleやwikipediaなんかで調べてください。

 デジカメのメニューやファンクションボタンなどを押すと
 必ずホワイトバランスの項目が出てきます。
 通常は「オートホワイトバランス」になっていますが
 オートだとまず100%うまくいかないです。
 やや乱暴に言うとフツーにチャラっと友達を撮ったりする状況を
 想定したのがオートですから、商品撮影となるとNGなのです。

 で、一番手軽なのはホワイトバランスを
 「蛍光灯モード」にすること。カンタンですが、場合によっちゃ
 うまく撮影できちゃったりします。試しましょう。

 確実なのは「マニュアルでホワイトバランスを調整する」。
 カメラによってやり方が違うので(※)詳しくは説明書を良くお読み
 いただきたいのですが、ネイチャーで使ってるキャノンの場合は
 「ファンクションボタンを押す」
 「ホワイトバランスのとこに合わせて」
 「ホワイトバランス:マニュアルに合わせて」
 「液晶の画面いっぱいに白ケント紙がうつるようにデジカメを調整して」
 「SETボタンを押す」

 以上で完了です。
 白ケント紙のどこにフォーカスするかで、微妙に異なりますが
 基本的には「撮影するもの(被写体)の背景になりそうなとこ」を
 狙うのが良いと思います。

 ※マニュアルホワイトバランス機能がついてないデジカメも時々あります。
  蛍光灯モードで撮影しましょう。


 はぁー書いて説明するのがしんどいです。
 これを読んで実際やってみるのもしんどいかなあと思います。

 でもこれは撮影前の習慣にしてください。
 くどいですがホワイトバランスは超重要です。
 デジカメのマニュアルを熟読しましょう!!

 次回は「さあ撮影だ!・・・その前に」です。
 今回がややヘヴィーでしたので次回はお気楽に。お楽しみに!!


第六回:「さあ撮影だ!・・・その前に」

 前回がヘヴィーだったので今回はお気楽です。

 撮影場所も出来たし、ホワイトバランスもセットして
 さあ撮影にとりかかりたいところですが、その前に
 ちょっとクールダウンしていろいろチェックしましょう。

 まず、一番重要なことは「撮影するモノ」をチェックすること。
 汚れてたり壊れてたりしませんか?
 例えばガラスを撮影するなら、ガラス用の洗剤でキレイにしたり
 するなど、ちょっとケアしてあげましょう。

 いつも忘れやすいのが「エアコン」です。
 つり下げて撮影する時などはエアコンや扇風機がついてると
 被写体がぶ〜らぶ〜らと揺れてしまいます。
 室内での撮影はたいがいシャッタースピードが遅いですので
 ブレてしまいます。
 暑い時はツラいですが、がんばって撮影しましょう!

 最後は「服装」。第二回で説明しましたが派手な色の服はNG。
 ツヤツヤの部分などに写りこんでしまいますので
 面倒ですが着替えましょう。
 どれもカンタンですね。
 でもうっかり忘れて→そのまま撮影→PCに取り込んで気がつく
 こんな失敗を何度もしてます。
 PCに取り込んだ画像を処理(ポストプロダクションといいます)
 することもありますが、だいたい大変なので再撮影のハメに・・・

 次回は「さあ撮影だ!撮りまくろう!!」です。
 次回も内容はカンタンです。お楽しみに!


第七回:「さあ撮影だ!撮りまくろう!!」

 準備も万端、気合いを入れて撮影をはじめます。

 その前に、この連載で紹介する環境ではストロボ(フラッシュ)は
 使いませんので、ストロボは「発光禁止」に設定します。

 そして被写体を置きます。
 置く場所によって微妙に明るさなどが異なります。
 いろいろ動かしてみて、いいかんじの場所に置いたら
 いろんな視点から眺めてみましょう。

 上下左右、近くから見たり、遠くから見たり。

 といっても「ココだ!!」と一カ所には絞れないのが人情。
 2〜3カ所から撮影しちゃいましょう。

 なんといっても昔のフィルムと違って
 デジカメは何枚撮っても「タダ」ですから。
 いい時代になったなあ・・・とつくづく思います。

 で、一カ所につき「露出を変えて数ショット撮影」します。
 ココはすごーく大切なポイントです。
 「露出」というのは、かみくだいて言うと「明るさ」のこと。
 ほぼすべてのデジカメには「露出補正」という機能がついてます。
 -2(暗く写る)〜±0(普通)〜+2(明るく写る)くらいの間で
 調節できるようになってます。

 白い背景の場合だと±0、+0.5、+1.0、+1.5、+2.0というかんじで
 明るい方で5ショットくらい撮ってみましょう。
 後からパソコンに取り込んでその中から選びます。
 ちなみにネイチャーの環境だと+1.5くらいで撮影した画像を
 選ぶことが多いです。

 ということで1個の被写体につき
 「2〜3カ所」×「5ショット」=10〜15ショット撮ります。

 下手な鉄砲も・・・的にバシャバシャ撮れば
 何枚かいいショットがあるはず!!
 (実はプロのスタジオでもこうです)
 とにかく撮りまくることが大切です!!!

 次回は「ちょっと工夫の照明」です。
 わずかなコスト(ほぼ0円)と手間でグッと写りが良くなります。
 お楽しみに!


第八回:「ちょっと工夫の照明」

 「明るく照明があたってるのになんだか花器が暗いなぁ」
 と思うことがあります。

 そんな時に大活躍するのが「レフ板」。
 被写体の前やヨコからあてて照明を補助するものです。

 カメラ専門店へ行くと安いのは1000円くらいから
 プロ用だと10000円以上と、いろいろ揃ってますが
 この連載は「チープ」がテーマですので
 代用品でなんとかします。

 ネイチャーで使っているのは
 「そこらへんに転がってた発泡スチロールの板」です。
 タダだし、軽いので重宝してます。

 添付画像はレフ板の不使用/使用の比較です。


 ・レフ板なし(添付画像を参照)
   花器もブタも暗いです。

 

・レフ板使用(添付画像を参照)
  レフ板がわりの発泡スチロール板を、被写体の前面からあてて
  上からの光を被写体に反射させています。
  花器もブタも明るくなりました。

 

 反射をもっと強くしたければ、アルミホイルを貼ったりします。

 「レフ板じゃなくて和紙もいいかんじだよ」
 と御殿場の花屋さんからアドバイスもらいました。
 たしかに花などはレフ板をあてすぎると明るくなる反面、陰影がなくなり
 立体感が失われることもあります。さすが!ありがとうございます!!

 「レフ板」でグーグルしたらいっぱいいいページありました。
 http://arena.nikkeibp.co.jp/tec/camera/20040303/107403/
 http://konicaminolta.jp/entertainment/how_to/etc/etc4n03.html

 とにかくいろんな位置からレフ板をあててみて
 バシャバシャ試し撮りしてみましょう。

 次回は「ぶれを防ぐ」です。
 ぶれといっても2種類あります。お楽しみに!!


第九回:「ぶれを防ぐ」

 「ぶれ」といっても2種類あります。
 ひとつは「手ぶれ」。もうひとつは「被写体ぶれ」です。

 「手ぶれ」は感覚的にわかりやすいものです。
 手でカメラを持ち、手がぶれちゃうから、写真もぶれる。
 これを防ぐ方法はいろいろあるのですが
 室内(=スタジオ)撮影の場合はカンタンです。
 
 三脚を使うことです。

 三脚にビシっと取り付ければ、まず心配ありませんが
 下記のどちらかでシャッターを切ればパーフェクトです。

 ・セルフタイマーでシャッターを切る。
 ・リモコンが使えるカメラならリモコンでシャッターを切る。

 要するに三脚を使っても手でシャッターボタンを押すと
 微妙に三脚が揺れます。安価な三脚は揺れまくったりします。
 そのような時に有効な小ワザです。

 最近では「手ぶれ防止機能」がついたカメラもありますので
 その機能を試してみるのもよいかもしれません。
 (恥ずかしながら、使ったことありません・・・)

 もうひとつのぶれ「被写体ぶれ」は
 シャッターが開いてる間に、被写体が動いてしまうことに
 よって、写真もぶれてしまう場合です。
 
 室内撮影の時はあまり関係ないですが
 わかりやすい例でいうと
 「スポーツ」「子供」などの動きの激しいものを撮影したとき
 よく起こります。

 商品撮影で出くわす典型的な「被写体ぶれ」は
 
 ・吊るしているモノが揺れてしまう。
 ・屋外撮影で葉っぱが風に揺られてしまう。
 
 被写体ぶれの解決法は様々ですが
 基本はシャッタースピードを上げること。
 
 シャッタースピードを上げるには
 ・光量を増やす(=照明をパワーアップ)
 ・露出を変える(=絞りを開ける)
 ・ISOを変える(試す価値有り!!)
 などの方法があります。
 露出、ISOは説明が長くなっちゃうので割愛させてください。

 
 ・・・と長々と説明しましたが
 キモは「商品撮影は面倒でも三脚を使う」ということ。


 次回は「ズームを使う」です。
 狭いところでなんとか撮影するテクなど。お楽しみに!!


第十回:「ズームを使う」

 ズームは広角〜望遠まで自由に変えられて、便利なものです。
 一部を除いて、ほとんどのカメラのレンズがズームレンズですので
 アップにする時は望遠に、幅広く写したいときは広角に、と
 特に意識せずに使っていることと思います。

 室内で商品を写す時も同様に
 ズームで調整したり、または商品に近づいたり遠ざかったりして
 構図を決めていると思います。

 ここでちょっと覚えておくポイントは
 「望遠と広角では写り方が違う」ということ。

 例としてコーヒー缶(主役)を、キーボードをバックに
 撮影してみました。

 まずは一番広角で撮ってみました。

 
 バックのキーボードも全部写ってます。

 次にズームの真ん中くらいで撮ってみました。

 
 あれれ?コーヒーの大きさは同じなのに
 キーボードは左右が切れちゃってます。

 最後に一番望遠で撮ってみました。

 
 さっきより、もっとキーボードが切れてます。


 おわかりでしょうか?
 主役であるコーヒー缶が同じサイズでも
 背景の写り方は望遠と広角で違うということです。

 細かいところに注目すると
 コーヒー缶の写り方なども違っています。
 また、広角の奥行き感に比べて
 望遠は奥行きをあまり感じません(※)。
 この特性を知っていて、一番役立つのが
 「背景の紙に対して、商品が大きいとき」です。

 広角だと、背景の紙の大きさが足りないが
 望遠だとOK!ということがしばしばありますので
 お試しください。

 ・・・ということで、この連載もネタに尽きてきました。
 なにかネタになる質問がありましたら
 それを次回のテーマにしたいと思いますので
 メールなどお待ちしております。

 ネタがなければ、ちょっと準備期間をいただき
 「PCで加工編(仮名)」に入ろうと思います。 

 それでは次回もお楽しみに!!

 ※望遠だと奥行きを感じない、が一番実感できるのが
  テレビのマラソン中継の時です。
  実況でも「画面では遠近感がわかりませんが・・・」って
  よく言ってますね。